
かつおくんは
青年の変化を感じていました。
それはまだ目に見えませんが、おおきな おおきな 変化でした。
そしてある日 こういいました。
「青年よ、旅にでたらどうぞえ。
高知にきておまんはほんまにようがんばりゆうで。
いろんなことに気付いたはず。
でも 知るだけじゃあ いかんがよ。
人間はねぇ、実際に いろんな人に 大切にされないかんがよ。
そうしたら、おまんも人をこじゃんと大切にできるようになるきね。
おらは おまんに そういう 器の大きい男になってほしいと思うちゅう。
高知をあじおうてきいや。」
夏休み・・・
青年は かつおくんに勧められた通り
高知を一周する旅へ出かけることにしました。
「えい旅してきいやね。」
かつおくんは笑顔で見送りました。
その日を境に かつおくんは 青年の前から姿を消しました。
青年はそれでも 不思議とさみしくありませんでした。
旅に出ると
かつおくんが心にまいてくれた種は
愛情という肥料を得て
つぎつぎと芽吹き始めたのです。